【1月22日 AFP】ロシアがウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島沖の黒海(Black Sea)で21日、タンザニア船籍のガス輸送船2隻が燃料の移し替えをしていたところ火災が発生し、14人が死亡、5人が行方不明となっている。ロシア当局が明らかにした。

 ロシア連邦海洋河川輸送局(Federal Agency for Maritime and River Transport)の報道官はAFPに対し、11人が遺体で収容されたほか、救助隊が海中で目視した3人も死亡した可能性が高いとして、生存者は12人いるが「残る5人がどこにいるかは誰にも分からない」と述べた。

 報道官によれば、火災はガス輸送船「カンディ(Kandy)」と「マエストロ(Maestro)」の間で燃料の移し替えをしている際に発生し、双方の乗組員らが海に飛び込んだ。捜索救助活動は現在も続いているという。2隻の乗組員の国籍はインドとトルコで、カンディに17人、マエストロに14人が乗っていた。

 現場はクリミア(Crimea)半島沖のケルチ海峡(Kerch Strait)の近く。ロシア当局は昨年11月、同海峡を通って黒海からアゾフ海(Sea of Azov)に抜けようとしていたウクライナ海軍艦3隻を砲撃の末に拿捕(だほ)し、ケルチ海峡はロシアとウクライナの新たな火種となっている。(c)AFP