【1月21日 AFP】アフリカ中部コンゴ民主共和国の憲法裁判所は20日、昨年末に行われた大統領選をめぐり、不正があったとして敗北を受け入れず集計のやり直しを要求していた野党候補マルタン・ファユル(Martin Fayulu)氏の異議申し立てを却下した。これを受け、独立国家選挙委員会(CENI)が10日に発表した最大野党の候補フェリックス・チセケディ(Felix Tshisekedi)氏(55)の当選が確定した。

 アフリカ諸国はチセケディ氏の次期大統領就任を承認しつつある。南部アフリカ開発共同体(SADC)とケニアは祝意を表明するとともに、平和的な政権移行を求めた。一方、欧州連合(EU)は選挙結果について「疑いは残っている」と慎重な姿勢を示しており、選挙監視団として4万人を派遣していたローマ・カトリック教会も結果の受け入れを拒んでいる。

 チセケディ氏は22日に就任宣誓に臨む見通し。

 選管当局の当初の発表で2位に終わったファユル氏は、38.5%の票を獲得してチセケディ氏が勝利したとする憲法裁の判断を「選挙におけるクーデター」だと批判。またチセケディ氏について、現職のジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領の政治的・経済的利益を守る約束と引き換えに勝利の確証を得たと主張している。

 コンゴではカビラ大統領が2016年の任期終了後も政権に居座り、政治危機の懸念が高まっていた。平和的な政権交代が実現すれば1960年の独立後初めてとなる。(c)AFP