【1月21日 AFP】股関節の負傷を理由に、今季限りの引退を表明したアンディ・マレー(Andy Murray、英国)に対して、ダブルスのスペシャリスト、ボブ・ブライアン(Bob Bryan、米国)の手術を担当した医師が、股関節置換手術を受ければまだ現役を続けられる可能性があると話している。

 世界ランキング1位に立ったこともあるマレーは、股関節に耐え難い痛みを抱えており、自身3回の四大大会(グランドスラム)制覇のうち、2回の優勝を飾っているウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)までは現役を続ける意向だが、1回戦負けを喫した全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)が最後になる可能性も示唆している。

 そのマレーに対して、ブライアンは自身がエドウィン・スー(Edwin Su)医師の股関節置換手術を受け、手術から半年かからずに全豪オープンに出場したことを明かし、シングルスとダブルスでは肉体的な負担が異なり、同じ手術を受けたからといって世界トップレベルに戻れる保証はないと前置きしつつ、スー医師を勧めている。

 その中で20日、スー医師本人が英紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)で「間違いなく彼の助けになると思う。最高にうまくいけば、痛みはまったくなくなる。ほとんどの場合、手術を受けて目を覚ました直後から、患者は痛みが消えてなくなったと言う」と話した。

「本当に奇跡的なんだ。その後、傷が癒える過程で軟部組織の痛みは生じるが、いったん快方へ向かえば、以前と同じことができるようになる。普通の生活を取り戻せるんだ」

 スー医師は、マレーが今すぐ手術を受ければウィンブルドンに間に合う可能性もあると考えている。

「シングルスの方が負荷は大きい。未知の領域だ」「この手術を受けてシングルスに復帰した選手はまだいない。コートを広くカバーする筋肉の強さがダブルス以上に求められる」と話した上で、「同じように素早い動きが求められるバスケットボール選手やホッケー選手のこれまでの事例から考えれば、彼も復帰できると思う」

 マレーに手を差し伸べた40歳のブライアンも「私は彼に選択肢を示したにすぎない。彼はトレーニングとリハビリに関し考えられるすべてのことをしている」「彼はかなりの数の専門家と話をしている。だが私は金属の入った股関節を持ちながらツアーに復帰した唯一の人間だ」と話している。(c)AFP