【1月21日 AFP】2018-19アルペンスキーW杯は20日、イタリア・コルティナダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で女子スーパー大回転第4戦が行われ、失格に終わったリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)はレース後、これが現役最終戦になるかもしれないと涙を流した。

 膝の負傷から今大会で復帰し、両膝に装具をはめて出場しているボンは、この日のスーパー大回転で、過去にW杯12勝を挙げている会場で完走できないという不本意な結果に終わると、34歳となった「体の無理が全然きかない」と涙ながらに話した。

「体が思った通りに動いてくれない。やりたい滑り、できるはずの滑りが全然できない」「現時点では何も考えられない。思い描いていたのとはまったく違う状況になっている」「キャリアの中で何度もけがを乗り越えてきたけど、今回はけがに負けてしまいそう」

 W杯通算82勝のボンは、インゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark)氏の最多86勝の記録を塗り替え、年末のレイクルイーズ(Lake Louise)大会で現役を退くことを目標にしている。2004年にW杯初表彰台入りを果たしたオリンピア・デッレ・トファーネ(Olympia delle Tofane)を滑るのは今回が最後となるが、本人は現役自体が最後になる可能性を示唆し、「分からない」「何日か考えて決めたい」と話した。

 これまでの予定では、次週は2018年に滑降2連勝を飾るなど、通算9勝を挙げているドイツ・ガルミッシュパルテンキルヘン(Garmisch-Partenkirchen)でのレースに臨み、その後スウェーデンで2月に行われる世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2019)に出場するはずだった。

 しかし再出発の舞台に選んだコルティナダンペッツォで、18日の滑降第4戦は15位で、翌19日の第5戦は9位、そしてこの日は失格という結果になったことを受け、ボンは「思っていたよりも感情的になった」「終わりが近いのは自分で分かっているけれど、それで何かが楽になるわけじゃない。ここは自分にとって素晴らしい場所で、夢のような思い出があるから、それを増やせればと思っていたけど、期待していた通りにはいかなかった」とコメントしている。

 レースはミカエラ・シフリン(Mikaela Shiffrin、米国)がティナ・ワイラター(Tina Weirather、リヒテンシュタイン)とタマラ・ティプラー(Tamara Tippler、オーストリア)を抑えて優勝を飾った。

 23歳のシフリンはこれでW杯通算54勝。今季だけでも回転5勝、大回転2勝、スーパー大回転3勝、パラレル大回転1勝を積み重ね、フレニ・シュナイダー(Vreni Schneider)氏が1989年につくったシーズン最多14勝の記録更新に近づいている。(c)AFP/Emmeline MOORE