【1月20日 AFP】(更新)メキシコ中部イダルゴ(Hidalgo)州で違法な燃料抜き取りが行われていた石油パイプラインが爆発、炎上した事故で、当局は20日、死者が85人に増えたと発表した。

 爆発は18日、首都メキシコ市から車で約1時間の距離にある人口2万人の町トラウエリルパン(Tlahuelilpan)近郊で発生。現場には燃料を求めて数百人が集まっていた。

 ホルヘ・アルコセル(Jorge Alcocer)保健相によると、これまでに85人の死亡が確認された。負傷者のうち58人はイダルゴ州内で入院し、容体がより深刻な人々は特別な治療を受けるため首都メキシコ市に搬送されたという。現場での捜索活動は19日夜に終了しているが、遺体捜索続行を訴える住民もいる。

 ルイス・クレセンシオ・サンドバル(Luis Crescencio Sandoval)国防相は報道陣に対し、18日に燃料を密売するグループがパイプラインに穴を開けたとの通報を受け、兵士約25人が現場に駆け付けて封鎖を試みたと説明した。

 だが、目撃者によると兵士らは、漏出した燃料をバケツや缶に集めようと群がった推定700人の民間人を抑え込むことができなかった。

 サンドバル国防相によれば、爆発は最初にパイプラインに穴が開けられてから約2時間後に発生したが、そのとき兵士らは群衆と衝突するリスクを回避するため現場から遠ざけられていたという。(c)AFP