【1月20日 AFP】18-19イタリア・セリエAは19日、第20節の試合が行われ、インテル(Inter Milan)は0-0でサッスオーロ(US Sassuolo)と引き分けた。サポーターの人種差別により、この試合を無観客で行うことを命じられていたインテルは、差別撲滅の啓発キャンペーンとして、地元の小学生1万1000人を招待して試合を行った。

 インテルは先月末のナポリ(SSC Napoli)戦で、サポーターがカリドゥ・クリバリ(Kalidou Koulibaly)に対してモンキーチャント(猿の鳴きまね)を浴びせ、その罰として2試合の無観客試合を命じられた。これを受けて、クラブはリーグに許可を取った上で地元の学校に通う子供たちを招待し、「BUU(あまねく結ばれた兄弟)」の取り組みを開始した。

 ジュゼッペ・マロッタ(Giuseppe Marotta)最高経営責任者(CEO)は「BUUのキャンペーンを通じて、強いメッセージを発信したかった」「クラブが一定の価値観を重視しているということを示す取り組みだ」とコメントした。

 ピッチ上のプレーにはさえがなく、守護神サミル・ハンダノビッチ(Samir Handanovic)のスーパーセーブに救われた面もあったインテルは、2位ナポリとの勝ち点4差を縮めることはできなかった。

 それでもルチアーノ・スパレッティ(Luciano Spalletti)監督は「子供たちの歓声が聞こえただろう。あらゆる出来事を楽しんでいる声だった。全員がインテルサポーターというわけではなく、他のチームのファンの子もいたが、全員がこの場を楽しんでいた」とコメントした。

 ナポリは20日にラツィオ(SS Lazio)と対戦し、2試合出場停止への異議が却下されたクリバリは、この試合も欠場する。

 トリノ(Torino FC)と対戦したASローマ(AS Roma)は、このところの復調傾向を維持して3-2で勝ちきり、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)出場圏内に浮上した。

 前半に2点を先行しながら、後半に追いつかれたローマだったが、ジェンギズ・ウンデル(Cengiz Under)の負傷により開始6分で投入されていたステファン・エル・シャーラウィ(Stephan El Shaarawy)が終盤に決勝点を挙げ、チームはインテルと勝ち点7差の暫定4位に順位を上げている。(c)AFP/Emmeline MOORE