■風力発電所 vs 生物多様性

 全世界には約35万基の風力タービンが散在しており、500ギガワット以上のクリーンで環境に優しい電力を発電し、世界の電力需要の4%を供給している。

 だが、風力発電所は鳥に死をもたらしており、約5万基の風力タービンがある米国だけで毎年最大で32万8000羽に上る、特に夜間に飛行する鳥が、高速回転するタービン翼との衝突で命を落としている。

 さらに、風力発電所は生態系を混乱させる。インド・西ガーツ山脈(Western Ghats)にある風力発電所に関する科学的研究では、肉食猛禽類の個体数が他の地域に比べて4分の1ほど少ないことが明らかになった。西海岸地域に広がるこの山岳森林地帯は国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界自然遺産(World Heritage)に登録されている。

 猛禽類が姿を消した影響が食物連鎖の下位層へと波及し、猛禽類の餌となる小動物の個体数密度と行動を根本的に変化させた。特に、猛禽類が好んで捕食するファンスロートリザードと呼ばれるトカゲの個体数が急増したのだ。

■太陽電池パネル vs 土壌汚染

 フランスの調査ジャーナリスト、ギヨーム・ピトロン(Guillaume Pitron)氏によると、太陽光を吸収して発電する太陽光発電パネルには、知られたくない秘密があるという。

 この最も急速に成長している再生可能エネルギー源のソーラーパネルには、レアメタル(希少金属)やレアアース(希土類)が含まれており、これらは抽出に多大なエネルギーを必要とするだけでなく、その結果として環境破壊の跡を残す場合が多い。

 自身の著作「The Rare Metals War」の調査のために世界各地を歩き回ったピトロン氏は、中国南部の「垂直方向に真っ二つにされた」山や、内モンゴル(Inner Mongolia)自治区の「毒の湖」などを目の当たりにしたという。(c)AFP/Marlowe HOOD