【1月22日 CNS】修復中だった北京・故宮(紫禁城、Forbidden City)内にある養心殿(Yangxindian)の西側の一角で「清宮春節曲目戯折(訳:清朝の宮中で春節時に催される出し物の演目表)」2巻が見つかった。北京の故宮博物院(The Palace Museum)が明らかにした。

 養心殿の研究・保護工事は昨年9月に始まり、養心殿区域は文化財の現状保護と現場詳細調査と修復用足場の建設に取り掛かっていた。

 今月9日午後、修復技術者が壁の装飾通風れんがの整理と柱の腐食状況を調べていた時に、れんがと柱の間の空間に細い巻物状の物が積み重なっていることを発見した。

 作業員が紙の巻物を取り出したところ、紙質が柔らかく、色はやや黄色がかり、書跡は鮮明だったという。巻物の表には「乾隆二十四年十一月十九日造弁处呈」「重華宮承応」の文字が書いてあり、巻物を開くと、「十二月三十日」と「昇平除歳、福寿迎年、看状、下海……」など19の曲目と演者の名前が書かれていたという。

 研究者の調査によると、この2巻の曲目は全く同じで、演者の備考欄はやや異なる内容となっている。清乾隆24年に皇帝の御用達品の製造や調達を担当する「造弁处」という役所が作成した、旧暦大晦日の演目表であると確認された。故宮博物院に現存している文化財の中で、この形式の演目表はこれまでに発見されたことはない。

 巻物は現在、故宮博物院の宮廷部典章組に移され保管されている。修復と研究が終わり次第、適当な時期に公開される予定だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News