【1月18日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は17日、ロシアにおける国家ぐるみのドーピングの中枢を担っていたモスクワにある反ドーピング検査所から、データの「回収に成功した」と発表した。

 WADAは、計30競技の1000人以上が関与し、ロシアの選手が2016年リオ夏季五輪と2018年平昌冬季五輪で除外されることになった2011年から2015年にかけてのスキャンダルについての調査を完了させるため、データの提出を要求していた。

 WADAのクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長は「クリーンなスポーツにとって大きな躍進だ」と述べている。

 昨年9月にWADAはロシアを復帰させるための足がかりとして、同国反ドーピング機関(RUSADA)に科していた資格停止処分を条件付きで解除。その条件の一つとして、2018年中に同検査所のデータを提出することを挙げていた。

 しかし、WADAが先月にロシアを訪れた際、データ回収に使用しようとしていた機器に関して、ロシア当局から同国の法律で認められないものであるとの指摘があり、年内の期日は守られなかった。

 リーディー会長は、「昨年9月20日に下した決定がなければ起きなかったであろう真の進歩をわれわれが続けているということを示した」と主張した。

「その決定の要点となった三つのプロセスのうち、最初の段階が完了した。長きにわたって行き詰まりを迎えていた元検査所へのアクセス権の問題は解決した。非常に良い知らせだ」

 またリーディー会長は、WADAはこのデータが完全なもので、「損なわれていなかった」ことを確認するため、データを再調査して、認定することを目指すとしている。

 これを受け、第三者グループであるコンプライアンス審査委員会(CRC)は、22日に行われるWADAの執行委員会で検討される勧告を直ちに提出した。(c)AFP