【1月18日 AFP】男子テニス、元世界ランク1位のレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)氏が17日、オーストラリア人選手の後輩であるバーナード・トミック(Bernard Tomic)から自身と家族に対して脅迫や身体的脅迫を受けていたと告白し、同国テニス界は新たな問題に直面した。

 四大大会(グランドスラム)通算2勝を誇り、男子の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)で母国代表の監督を務めているヒューイット氏は、かんしゃく持ちとして知られるトミックについて、代表チームでは二度と起用するつもりはないと強調した。

 ヒューイット氏はトミックを「道化師」と呼ぶと、同選手との関わり合いを断ちたかったと明かし、「われわれはデビスカップとオーストラリア代表のために、文化的基準を設けようとしている。ここ数年間における彼は、それらの基準をほとんど満たしていない」と報道陣にコメントした。

 トミックは先日、ヒューイット氏がオーストラリアのテニス界を引っかき回していると批判し、「彼のことはもう誰も好きじゃない」と言い放った。これに対して同氏は反論しており、トミックが脅しをかけてワイルドカード(主催者推薦)を要求したり、デビスカップでプレーすることを拒否しようとしたりしたため、親しい関係に終止符を打っていたことを明かした。

「私と家族は脅迫を受けた覚えがある。それは1年半前のことで、そのような物言いをする人間とは誰も関わりたくないはずだ」と話したヒューイット氏は、どのように脅されたのか尋ねられると、「ゆすりや身体的な脅迫だ」と回答。「最も腹立たしいのは、特に(デビスカップの主将として)最初に役目を与えられた際に、バーニー(トミック)を助けるために本当に尽力しようとしていたことだ」と語った。

「結局のところ、彼は同じ間違いを繰り返している。彼から暴言を浴びせられたことが、最後は関係に一線を引くことになった。それ以降は彼と話をしていない」「これからもそうだ。私が携わっている限り、彼がデビスカップでプレーすることはない」

 頭に血が上りやすい26歳のトミックは、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)の1回戦で敗れた後、ヒューイット氏への不満をぶちまけた。

 かなり前からヒューイット氏や豪テニス協会との関係がこじれている同選手は、自分や同胞のニック・キリオス(Nick Kyrgios)とタナシ・コキナキス(Thanasi Kokkinakis)らが、「もはや(デビスカップで)プレーすることを望んでいない。彼(ヒューイット氏)がシステムを台無しにしているからだ」と明かすと、同氏に対して「どっか行けよ。文字通りな」「引退したのに、なぜ今もテニス界にいるんだ?」と吐き捨てた。(c)AFP