【1月18日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は17日、スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官が中国からの輸入製品に課されている関税の一部、もしくは全てを撤廃する案を提起したと報じた。不安定な株式市場の安定化に加え、米中通商協議で中国政府の譲歩を促す狙いがあるものとみられるが、米通商代表団の報道官はムニューシン氏が関税について勧告した事実はないと否定している。

 米中の代表団は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が予定している2000億ドル(約22兆円)分の中国製品に対する制裁関税の引き上げを回避するため、3月1日までと期限を定めて交渉を進めている。

 ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、ムニューシン氏は通商協議の戦略についての話し合いの中で、2500億ドル(約27兆円)相当の中国製品に課されている関税の一部か全てを取りやめることを提案。ただ、提案はトランプ大統領には報告されていないといい、米ニュース専門放送局CNBCは米政権高官の話を引用し、トランプ氏には中国側に譲歩を提示する動機がないと伝えている。

 中国との通商協議に当たる米代表団を率いるのはムニューシン氏より強硬派といわれる米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)代表だが、USTRの報道官はムニューシン氏やライトハイザー氏が関税や中国との協議について何らかの提案をした事実はないと強調した。(c)AFP