【1月21日 AFP】米ミシガン州デトロイト(Detroit)で開催される北米国際自動車ショー(North American International Auto Show)で自動車メーカーは毎年、容姿端麗な女性、そして男性に商品説明を担当させている。

 だが、セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」の衝撃が全米で今も冷めやらぬ中、外見だけのコンパニオンはほぼ姿を見かけなくなっている。また、自動車メーカーは人種や性の多様性にも気を配るようになっている。

「製品スペシャリスト」と呼ばれる彼らの完璧な笑顔は以前と変わらない。だが、車種ごとの特徴や価格を的確に説明するその姿は、参照するため携帯している「iPad(アイパッド)」がただのお飾りに見えるほどだ。

 アフリカ系の女性プリシラ・テヘダ(Priscilla Tejeda)さんは、トヨタ自動車(Toyota Motor)の製品スペシャリストを務めている。父親はかつて整備士だった。テヘダさんはピンヒール姿で、今年のショーの目玉の一つであるトヨタのスポーツカー「スープラ(Supra)」の最新モデルを紹介している。

「私たちは毎日、顧客に話し掛け、車についての質問に答えながら、彼らが探している製品を見極める」とテヘダさん。

 もちろん、過去にはばかげた性差別的な発言をされたこともある。「君はこの車のおまけでついてくるの?」というのはその典型だ。だが、それ以外のセクハラを経験したことはなく、#MeToo運動以降は以前に比べ礼儀正しい人が多くなった。「今は、車に直接関係ある質問が増えた」とテヘダさんは語る。