【1月16日 CNS】中国・吉林省(Jilin)の市・県の11病院で、一般外来での成人患者に対する点滴が中止され、広く注目を集めている。

 一般外来の成人患者に対する点滴を中止したのは、吉林大学第一医院(The First Bethune Hospital of Jilin University)、吉林大学第二医院、吉林大学中日聯医院などの11病院だ。

 記者が吉林大学第一医院を訪れると、一般外来の点滴エリアはすでに閉鎖され、状況を知らない市民らが病院の入り口の掲示板に見入っていた。統計によると、2018年にはのべ6万人の患者がここで静脈点滴を行ったという。

「薬で治れば注射せず、注射で治れば点滴せず」が、世界保健機関(WHO)の施薬原則だ。中国では多くの人が「点滴は病気を早く治せるし栄養補給にもなるので、点滴を多くしてもデメリットは無い」と考え、医者と患者が共に選ぶ第一の治療策となっている。

「ほとんどの患者の点滴に対する認識は正しくなく、風邪にかかったら消炎薬を打っている」と吉林大学第一医院の魏鋒(Wei Feng)主任は言う。また、「大部分の風邪とインフルエンザはウイルスによって引き起こされるので、まず必要なことは抗ウイルス治療であって、抗生物質による治療ではない」と話す。

 魏主任は「我々のような大病院の仕事は緊急性が高く、重症、あるいは困難な疾病の治療だ。一般外来での点滴中止は、実際には、病院間の分業制度の実行と、大病院で治療を受けづらい問題を緩和するための重要な措置の一環だ」と説明した。

 一般外来の成人への点滴を中止することは、患者に対する点滴を中止することではない。吉林省衛生健康委員会によると、重篤な患者に対しては、病院は第一に患者の入院治療を選択し、救急診療が必要な患者については往診診療を行い、病状が比較的安定している患者に対しては、外来担当の医師が処方せんを書き、末端の医療施設で点滴を行うよう提案しているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News