【1月15日 AFP】大韓体育会(KSOC)のイ・ギフン(Kee-Heung Lee)会長は15日、若手女性アスリートとコーチとの間で性的暴行が繰り返されていたことを謝罪し、加害者には永久追放処分を科す決意を示した。

 韓国スポーツ界では先日、五輪のショートトラック女子で合計2個の金メダルを獲得した沈錫希(Suk-Hee Shim、シム・ソクヒ)が、元コーチから何度も性的暴行やセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)被害を受けていたと告白したことにより、即座に別の被害者が名乗り出る事態に発展した。

 イ会長は、「組織的な欠陥」によって繰り返される不正行為を阻止できなかったことを謝罪した上で、「わが国のアスリートたちの将来を操り、自分の地位を利用して不正行為に走った指導者たちを根絶やしにする」「性的暴行の加害者に永久追放処分を科し、国内及び海外へのリクルートも完全に阻止する」と述べた。

 韓国はアジアのスポーツ大国で、夏季と冬季の五輪のメダル順位で常にトップ10に入っている。しかし、激しい競争社会である同国のスポーツ界では勝つことが全てとなっており、アスリートのキャリアに巨大な支配力を保持している指導者からの暴力や暴言が横行している。それに加えて韓国社会は現在も保守的であり、性犯罪の被害に遭った女性は世間から侮辱的な目を向けられることもある。(c)AFP