【1月15日 AFP】ロシアの性的少数者(LGBT)支援団体は14日、同国のチェチェン(Chechnya)共和国で昨年12月から同性愛者の男女に対する迫害が再び横行し、約40人が拘束され、少なくとも2人が拷問を受け死亡したと発表した。

 イスラム教徒が人口の多数を占めるチェチェンでは2年前にも、男性同性愛者らが警察から拷問を受けたと訴え、国際社会から非難が集中していた。チェチェン当局は、人権団体による今回の主張を直ちに否定した。

 過去の事例では同性愛者らがチェチェン外に避難していたが、人権団体「ロシアLGBTネットワーク(Russian LGBT Network)」のイゴール・コチェトコフ(Igor Kochetkov)氏によると、今回拘束された人々は逃亡を阻止するために文書を没収されたほか、「自身やその親族に対してでっちあげられた犯罪を基に脅迫を受け、空白の用紙への署名を強いられている」という。

 ロシア当局は、2017年にチェチェンでの同性愛者迫害疑惑が浮上したことを受け、調査に着手。しかしロシアLGBTネットワークは、意味のある調査は実施されなかったと指摘している。

 ロシアでは同性愛は合法とされるものの、差別はまん延している。(c)AFP