【1月17日 Xinhua News】中国江西省鷹潭(Yingtan)市余江(Yujiang)区春涛(Chunshou)鎮の黄泥(Huangni)小学校には、雨の日も風の日も毎日放課後、時間通りに点火される露天のかまどがある。このかまどで作られた料理は、全校25人の留守児童の心と体を温めている。

 当時44歳の章站亮(Zhang Zhanliang)さんは2018年9月、黄泥小学校の校長職に就いた。それまでは同鎮の別の小学校で教員の経験がある。黄泥小学校は長年、物質的な条件が整っておらず食堂さえなかった。いつも親と離れて生活している児童にぬくもりを届けようと、着任したばかりの章さんは毎月1500元(1元=約16円)を捻出し、無償で児童に食事を提供している。

 スペアリブともち米のセイロ蒸し、コーラ手羽先、梨の氷砂糖煮、魚の頭と豆腐入りのお粥など、毎日違うメニューを出している。それだけでなく、章さんは調理の様子をインターネットでライブ配信し、思いやりの気持ちを持った人々に留守児童への関心を呼びかけている。

 章さんは「子どもたちと一緒にピリ辛風味の茶卵(殻にひびを入れお茶で煮込んだゆで卵)を作ったことがある。全校25人の子どもが50余りのアイデアを出し、5、6回作って、酸っぱい・甘い・苦い・辛いなどさまざまな味を生み出した。味はともあれ、子どもたちは作る過程を十分に楽しんだ」と語った。

 黄泥小学校が位置する春涛鎮は、余江区の中心部から約15キロの距離があり、児童が外出する機会は極めて少ない。章さんは手料理を通して、子どもたちが勉強にいっそう興味を示し、知識で貧困の運命を変えることを望んでいる。(c)Xinhua News/AFPBB News