【1月13日 AFP】フランス全土で12日、燃料税引き上げへの抗議を発端とした「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動の新たなデモが行われ、参加者が急増した。パリなどの都市部では数百人規模が逮捕され、治安部隊との衝突が発生したものの、暴力沙汰は著しく減少した。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に抗議するデモは昨年11月以来9週連続で行われ、内務省によると、参加者は前週土曜日の5万人から8万4000人超に増加した。

 デモは昨年のクリスマス休暇にいったん縮小したが、この日の参加者は12月15日の6万6000人超を上回った。それでも、デモが始まった2か月前の約30万人には届かなかった。

 この日パリ市内のデモは前週の3500人規模から8000人規模に拡大し、「重大事件なく」終了した。これについてクリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相は、「責任が争いの衝動を抑制した」と語った。

 ただ、複数の都市のデモでは記者数人が襲われ、北部ルーアン(Rouen)ではニュース専門テレビLCIの記者の警備スタッフも、黄色いベストの着用者を含むデモ参加者らに取り囲まれ、暴力を振るわれた。

 後にパリの凱旋(がいせん)門(Arc de Triomphe)でデモ参加者と治安部隊の小競り合いがあり、治安部隊は厳重な警備態勢が敷かれたシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りにデモ隊が到達しないよう催涙弾や放水車で対応した。

 ただ、夜になるとデモ隊は解散を始め、事態が比較的鎮静化したのに伴い、治安部隊は装甲車やトラックの撤去に着手した。その後テレビの映像は、警察の非常線からさほど遠くない場所でギターを弾いている人物の姿を捉えた。(c)AFP/Joseph Schmid and Adrien Marotte