【1月13日 AFP】米テキサス州サンアントニオ(San Antonio)の元市長で、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領政権で閣僚を務めたフリアン・カストロ(Julian Castro)氏(44)が12日、初のヒスパニック系大統領就任を目指し、米移民問題の中心地である同州で次期大統領選への出馬を表明した。

 カストロ氏は、サンアントニオの歴史あるグアダルーペ・プラザ(Guadalupe Plaza)に集まった多数の支持者を前に、大統領選への立候補を宣言した。熱狂的な支持者に自身が育った労働者階級地区を見渡すよう求め、「ここで生まれた有力候補はいない。しかし私は大きな夢を持ち懸命に働けば、この国ではどんなことでも可能だと常に信じてきた」と述べた。

 カストロ氏は演説で自らの移民の血筋を何度も引き合いに出した。大きな米国旗が掲げられた壇上の後方に座っていた祖母のビクトリアさんが1922年に7歳の孤児としてメキシコから米国に移住したことに触れ、移住した時に将来双子の孫の1人のホアキン・カストロ(Joaquin Castro)氏が同州選出の連邦下院議員に、もう1人が大統領候補になるとわかっていたら本人は驚いていただろうと付け加えた。

 民主党期待の星と呼ばれ、オバマ前政権では住宅都市開発長官を務めたカストロ氏は、2020年の大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に挑む多数かつ多様な候補者の一人になるとみられている。

 次期大統領選ではジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領や、上院議員のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)、バーニー・サンダース(Bernie Sanders)、カマラ・ハリス(Kamala Harris)各氏などの有力政治家、資産家のマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)氏などの出馬が見込まれており、カストロ氏は不利な立場からのスタートになる。(c)AFP