【1月12日 AFP】米連邦捜査局(FBI)がドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対して、ロシアの利益のために活動していた疑いで2017年に捜査を開始していたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が11日、匿名の情報筋を基に報じた。

 トランプ大統領は2017年5月、ロシア疑惑の捜査に反発してジェームズ・コミー(James Comey)FBI長官を解任。ニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、FBIは2016年の米大統領選の最中にトランプ氏とロシアとのつながりに疑いを抱いていたものの、コミー氏解任を受けて2017年にトランプ氏に対する対敵情報活動および犯罪捜査を開始した。

 対敵情報活動は、トランプ氏が承知の上かどうかにかかわらず、ロシア政府のために活動し、米国の国家安全保障に対して脅威となったかどうかを判断するもので、犯罪捜査は、コミー氏解任に関するものだという。

 コミー氏はトランプ氏への忠誠を誓うことや、ロシア疑惑の捜査を打ち切ることを拒否していた。コミー氏が解任されてから現在は、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が捜査を陣頭指揮している。

 トランプ氏はモラー特別検察官による捜査を「魔女狩り」と繰り返し非難しているが、これまでに元顧問弁護士マイケル・コーエン(Michael Cohen)被告、2016年米大統領選挙で陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート(Paul Manafort)被告、元大統領補佐官(国家安全保障担当)のマイケル・フリン(Michael Flynn)被告ら、側近が次々に有罪判決を受けている。(c)AFP