【1月11日 AFP】(更新)フランスの司法筋は11日、2020年東京五輪招致に関わる贈賄の容疑で、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和(Tsunekazu Takeda)会長に対する正式捜査が行われていることを明らかにした。

【写真】2020年東京五輪開催決定当時の歓喜の瞬間

 竹田氏に対する予審は昨年12月10日に開始され、2020年夏季五輪の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会の投票前に200万ユーロ(約2億5000万円)を支払った疑いで予審判事が捜査を行っているという。

 これを受けて竹田会長は同日、パリでの事情聴取に協力したことは認めたものの、「贈賄といった不正には関与していないと説明した」と語り、容疑については否定した。

 2020年夏季五輪の開催地を決める投票は2013年に行われ、スペインのマドリードとトルコのイスタンブールを抑えて東京が招致を勝ち取った。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は先月、セネガルに対し、国際競技大会の中核における汚職を捜査している仏司法当局に協力するよう正式要請した。

 AFPは、バッハ会長が昨年11月16日付でセネガルのマッキ・サル(Macky Sall)大統領に送った書簡を入手。その中で同会長は、仏予審判事が「セネガルの法相に宛てた捜査に関する書簡2通に関連し、捜査実施の困難さを訴えている」と指摘していた。

 国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)元会長の息子で、同連盟の元マーケティング顧問のパパ・マッサタ・ディアック(Papa Massata Diack)氏に、数百万ユーロの賄賂を受け取った疑いが持たれているという。

 この賄賂はスポンサー契約のためか、あるいは2016年と20年の五輪開催地にブラジルのリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)と東京がそれぞれ選出されるよう便宜を図ったことに関連しているとみられている。

 マッサタ・ディアック氏は2015年12月以降、国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)の最重要指名手配リストにその名が記載されているが、セネガル政府はフランスへの引き渡しを拒否している。(c)AFP