【1月10日 AFP】ボクシングのWBA世界ウエルター級王者で、同時に出身国フィリピンの上院議員でもあるマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)が、大統領選出馬のうわさを否定し、晩年を迎えたボクシングキャリアに集中していると強調した。

 40歳となる現在も、フィリピンでは国民的英雄のパッキャオは、以前から大統領選に立候補するとの報道が出ているが、エイドリアン・ブローナー(Adrien Broner、米国)との防衛戦を控えた取材の中で、政治家としての今後のキャリアのことはいったん脇へ置き、試合の準備を進めていると話した。

「多くの人が、次の大統領は私だと話している」「しかし、そのことは頭にない。現時点ではそうした考えはない。なんであれ、神の与えたもうた道を行くだけだ」「公人としての務めは、スポーツとは異なる。主に頭を使う仕事で、国のさまざまな課題に対して解決策を検討し、同時にそれを打ち出していく」

 その一方で、長年の付き合いがあるトレーナーのフレディ・ローチ(Freddie Roach)氏は、パッキャオが将来の大統領選出馬を視野に入れていると信じている。パッキャオはブローナー戦に向け、かつてまれに見る固い絆で結ばれたコンビと呼ばれ、15年を共に戦った後、2年前にたもとを分かったローチ氏と再びタッグを組んだ。

 ローチ氏は、「大統領選について本人と話したことはないが、彼は国民を助けたいと思っていて、そしてそのために一番いいのは上に立つことだ」「多分、史上初となる世界チャンピオンの大統領を目指しているんじゃないだろうか。昔から、100のことを一度にやろうとする男なんだよ」と話している。

 パッキャオは19日、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナ(MGM Grand Garden Arena)でブローナーとのタイトル防衛戦に臨む。(c)AFP/Rob Woollard