【1月9日 AFP】日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)容疑者(64)が私的な投資で生じた損失を日産に付け替えるなどしたとして逮捕された特別背任事件で、ゴーン容疑者の弁護人は8日、同容疑者の初公判まで、これから半年かかる可能性があるとの見通しを示した。

 ゴーン容疑者は同日、東京地裁で行われた勾留理由開示手続きで、容疑はいわれのないもので、勾留は不当だと主張した。

 しかし、日本では、検察が公判前や起訴前の容疑者を捜査のため長期にわたり勾留することや、勾留期間を延長することが認められており、ゴーン容疑者が近日中に保釈される可能性は低いとみられる。

 弁護団の大鶴基成(Motonari Otsuru)弁護士は、事件の複雑さや、日本語と英語の文書が関わる点を指摘し、初公判が開かれるまで半年はかかるだろうとの見通しを示した。

 多田裕一(Yuichi Tada)裁判官は、ゴーン容疑者が外国に複数の拠点を持っていることに言及し、逃亡と証拠隠滅の恐れがあることが勾留の理由だと述べた。

 弁護団の近藤剛(Go Kondo)弁護士はこれに対し、逃亡の恐れはないと主張。容疑者は仏自動車大手ルノー(Renault)の最高経営責任者(CEO)で著名な人物であるため、逃亡は困難だと反論した。(c)AFP/Hiroshi HIYAMA, Natsuko FUKUE