【1月9日 AFP】米大統領選挙を控えた2016年6月、ドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営の幹部らとの会合に出席し、その事実がロシアとの共謀疑惑浮上を招いたとされるロシア人弁護士が、これとは別の事件におけるマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で起訴された。米検察当局が8日、明らかにした。

 起訴されたのはナタリア・ベセルニツカヤ(Natalya Veselnitskaya)被告。米当局が2013年、モスクワでの2億3000万ドル(約250億円)の税金詐欺事件に関わったとして、ロシア企業「プレベゾン・ホールディングス(Prevezon Holdings)」を訴えた事件における証拠捏造(ねつぞう)罪に問われている。

 ベセルニツカヤ被告がマネーロンダリングに及んだとされるこの資金は、ロシアの人権弁護士で、ロシア当局により拘束され、深刻な健康問題を抱えていたにもかかわらず十分な治療が施されないまま獄中で死亡したとされるセルゲイ・マグニツキー(Sergei Magnitsky)氏が生前に暴露した不正な税金還付で発生したとみられている。

 国土安全保障捜査官のアンヘル・メレンデス(Angel Melendez)氏は、ベセルニツカヤ被告について「今では米捜査当局を意図的に欺いたとして指名手配されている」と話していた。

 ベセルニツカヤ被告の逮捕は、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が捜査を進めている米大統領選でのトランプ陣営とロシアの共謀疑惑とは、少なくとも表面上は無関係だった。

 モラー氏は、ベセルニツカヤ被告がトランプ陣営に対し、対立候補だったヒラリー・クリントン(Hilary Clinton)氏に関する不利な情報を提供したとされる、2016年6月9日にニューヨークのトランプタワー(Trump Tower)で行われた会合に捜査の焦点を当てている。(c)AFP