【1月14日 Xinhua News】中国青海省西寧市では毎日決まった時刻に、飲食店厨芥類(ちゅうかいるい、厨房から出る残飯などのゴミ)の収集車がやって来る。飲食店は決められた通りに分別し封をしたゴミを収集作業員に渡す。そうすることで店の厨房は清潔になり、飲食サービスの衛生や食品の安全も保障される。しかし10年前は、飲食店といえば「不潔・乱雑・劣悪」と形容しても言い過ぎではないありさまだった。以前は飲食店のゴミが好き勝手に投げ捨てられる現象が周辺住民を悩ませてきた。

 現在は、作業員が収集時にゴミの数量や種類、収集時間などの情報を逐一登録するため、一袋のゴミも途中で「行方不明」になる心配はなく、まして地下工場で「地溝油」(使用済み油を簡単な方法で加工再生した劣悪な油)に生まれ変わることもない。

 収集された飲食店の厨芥類は全て、西寧市東川工業団地にある潔神飲食店厨芥類処理工場へ運ばれる。ここでの処理工程は高度に自動化されており、技術者がパソコンのマウスを操作するだけで、機械が運転を始める。処理場内には専用の脱臭排気ダクトが設置され、嫌気性発酵プロセスは密閉された空間で完結するため、工場の外部ではほとんど異臭を感じない。

 同工場の狄孝力(Di Xiaoli)生産副総経理は、「ここで毎日収集・処理する飲食店厨芥類は平均170トン余りにもなります」と説明している。ゴミはまず固体と液体に分離され、固形廃棄物と液体廃棄物になる。固形廃棄物はメタン発酵によりメタンガスと有機肥料になり、液体廃棄物は油水分離を経て工業用潤滑油に姿を変え、他の工業系企業へ輸送される。

 西寧市都市管理局の王屹(Wang Qi)副局長によると、同市とその所轄する三つの県には現在約4000社を上回る飲食企業があり、毎日発生する飲食店の厨芥類は200トン余りにも上る。全国に36カ所ある飲食店厨芥類処理試験都市の一つである西寧市の飲食店厨芥類無害化処理率は95%以上に達している。2012年、西寧市の飲食店厨芥類処理方式は中国国家発展改革委員会などの部門に評価された。現在は「西寧モデル」として全国に広まっている。

 「次の段階として、西寧では飲食店厨芥類管理システムの設計をより整備し、有機物製品の田畑への還元基準を細分化して、飲食店厨芥類の『無害化』から真の『資源化』推進へと歩みを進めたい」と王氏は意気込んでいる。(c)Xinhua News/AFPBB News