【1月8日 AFP】世界銀行(World Bank)のジム・ヨン・キム(Jim Yong Kim)総裁(59)は7日、2月1日付での退任を発表した。任期を3年以上残しての退任となる。

 189か国が加盟する国際開発銀行である世銀の次期総裁人事については、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が大きな影響を与える可能性がある。

 世銀の発表によると、キム氏は退任後、開発途上国への投資を専門とする企業(企業名は未公表)に入社するほか、自身が共同設立した非営利組織「パートナーズ・イン・ヘルス(Partners In Health)」の役員に復帰する予定。2月1日からはクリスタリナ・ゲオルギエバ(Kristalina Georgieva)最高経営責任者(CEO)が暫定的に総裁を務めるという。

 世銀総裁は、最大出資国である米国により指名されるのが慣例となっている。トランプ政権はこれまで、トランプ氏自身が厳しく批判する国際機関や多国間協定との決別を繰り返しており、キム氏の後任はこれまでの慣例と大きく異なる人選となる可能性もある。

 2012年に総裁に就任したキム氏をめぐっては、世銀の職員組合が2016年、1万5000人に上る職員の間の不満が高まっているとして厳しく非難。職員らはキム氏が主導した組織再編や人員・経費削減を批判していた。(c)AFP