【1月7日 AFP】軍事政権下のタイで、2月24日に予定されている民政移管に向けた総選挙が再延期されるとのうわさが広がり、首都バンコクでは6日、軍政に予定通りの選挙実施を要求するデモが行われた。

 タイでは2014年に軍がクーデターで当時のインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相を失脚させ、政権を掌握して以降、民政移管に向けた総選挙は数回、延期されている。

 軍は2月24日の総選挙実施を発表したが、ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王はいまだ選挙実施に必要な法令に署名しておらず、選挙管理委員会が日程を公式発表できずにいる。

 一方、タイ王室は今月1日、ワチラロンコン国王の戴冠(たいかん)式を5月4~7日に執り行うと発表。プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)前国王の死後2年半以上が経過して行われる3日間の儀式には、数週間に及ぶ準備が必要とされることから、総選挙の再延期が浮上した。

 バンコクの戦勝記念塔前には6日、軍政に抗議する人々が集結。「延期はもうたくさん」などの言葉や、うそをつくと鼻が伸びる童話「ピノキオ(Pinnocchio)」になぞらえたプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の似顔絵が描かれたプラカードなどを掲げ、予定通りの総選挙実施を求めた。(c)AFP