【1月2日 AFP】動画配信大手の米ネットフリックス(Netflix)は1日、サウジを批判する内容が含まれていた風刺コメディー番組1話の公開を、サウジ国内のみに限って取りやめたことを認めた。問題となった回をめぐっては、サウジ当局が内容に不満を示していたと報じられていた。

 トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のコラムニスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害されたことについて、米国生まれのイスラム教徒、ハサン・ミンハジ(Hasan Minhaj)氏は、ネットフリックスの番組「ハサン・ミンハジ: 愛国者として物申す(Patriot Act with Hasan Minhaj)」の中で、サウジ批判を展開。

 ミンハジ氏はとりわけムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子を非難したほか、サウジ主導の連合軍によるイエメンでの軍事作戦についても批判的だった。

 ネットフリックスの広報担当者は、「われわれは世界各地における芸術面での自由を強く支持している。正当に法的な要求を受け、現地の法律を順守するためにも、サウジアラビア国内のみでこの回の公開を取りやめた」と述べた。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)によると、サウジアラビアの通信情報技術委員会(Communications and Information Technology Commission)がサイバー犯罪に関する法律に違反するとみなしたことを受け、ネットフリックスが今回の措置に踏み切ったという。

 ワシントン・ポストでカショギ氏の編集担当を務めていたカレン・アティア(Karen Attiah)氏は、ネットフリックスの措置について「あり得ない」と述べている。(c)AFP