【12月30日 AFP】2018-19アルペンスキーW杯は29日、オーストリア・ゼメリング(Semmering)で女子回転第5戦が行われ、ミカエラ・シフリン(Mikaela Shiffrin、米国)が史上最多となるW杯年間15勝目、同種目通算36勝目を挙げた。

 シフリンは前日の大回転を制しているペトラ・ブルホバ(Petra Vlhova、スロバキア)に0.29秒差をつけて優勝。3位はウェンディー・ホルドナー(Wendy Holdener、スイス)だった。

 前日は5位と悔しい結果に終わったシフリンだが、この日は圧倒的な速さを取り戻し、同じく年間14勝で短期間並んでいた男子のマルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher、オーストリア)を抜き、最多記録を更新した。両選手とも年内はすでに最終戦を終えている。以前の最多記録はスウェーデンの大選手インゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark)氏が1977年と79年に達成した13勝だった。

 それでもシフリンは「ちょっと気が散る要素でしかない。自分はそういう記録を追っているわけではないのに、ときどきそうした記録のことが頭に入ってきて、記録を意識せざるを得なくなる。だけど速く滑るためには、自分のスキーに集中する必要がある」と話している。

 女子回転のW杯通算勝利数でも、シフリンはオーストリアのレジェンドで、2004年から14年にかけて35勝を挙げたマルリース・シールド(Marlies Schild)氏を上回り、単独首位に立った。こちらについてシフリンは「シールドの数字のことは知っている。彼女はあの時代で最高の回転選手で、彼女に憧れなかったら今の私はない」と話している。

「ただ、記録は破られるためにある。私の記録もいずれ誰かが破るはずだし、そうあってほしい。それはつまり、自分もマルリースと同じように誰かの憧れになって、そうしてこのスポーツが新しいレベルへ進んでいくということだから。この記録がいつまでも残ることがないように願っている」

 シフリンはこれで、パラレル回転を含むW杯回転の直近14大会中13大会を制し、今季はパラレル一つを含む5戦全勝を飾っている。23歳の若さで、W杯はすでに51勝を積み重ねている。(c)AFP