【12月30日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、新シーズンに向けて、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の四大大会(グランドスラム)通算20勝の記録を意識していないと言ったら「うそになる」と話した。一方でジョコビッチは、期待の若手が伸びてきていることを理由に、記録更新は非常に難しい挑戦になるとも強調している。

 ジョコビッチは29日、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで行われたエキシビション大会、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)の決勝でケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)を倒して優勝を飾り、2019年シーズンの正式な開幕を前に早速好調ぶりをアピールした。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)を制してグランドスラムの優勝回数を14に伸ばしたジョコビッチは、フェデラーの記録にはあと六つ、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)にはあと三つ及ばないが、昨季後半に取り戻した圧倒的な強さを考えると、新シーズンにその差を縮める可能性は十分にある。

 現役中に達成したい記録はあるかと問われたジョコビッチは「グランドスラムの最多勝利数を更新したい気持ちがないと言ったらうそになる。そこは間違いなく目標であり、願望であり、目的だ」「おそらくグランドスラムが、残りのキャリアで全力を注ぎたい大会ということになる。ただ、まだ先は長いし、もちろん他のみんなと一番を争わなくてはならない」と答えた。

 この半年間で3回しか負けていないジョコビッチだが、その3戦の相手はロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2018)でのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)、パリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2018)でのカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)、そしてATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)でのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)と、すべて22歳以下の選手だった。

 大会中、若い才能の台頭で「テニスの顔が変わりつつある」と認めていたジョコビッチは、「新世代」の突き上げで、トップにとどまるのはいっそう難しくなるだろうと考えている。

「新しい世代の選手が出てきている。ナダルとフェデラーは健在で、アンディ・マレー(Andy Murray)とスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)も戻ってくる。ズベレフは新世代の筆頭だ」「競争の激しさという意味でも、個性という意味でも、男子テニスは最高の状態にある。新しい顔ぶれが出てくるのは良いものだ」

「自分にとっては、これだけの高いレベルにとどまるのは大きな挑戦、大きな課題になるだろう。しかも僕は家族を持つ身だから、なおさら過酷になる。ここ数年とは違う。だけど自分は挑戦のある人生が好きだ。それをきっかけに成長できるし、学べるからね。だから、この先に何が待ち受けていたとしても歓迎したい。受け入れ、同時に全力で取り組むつもりだ」

 ジョコビッチは次週からドーハで行われるカタール・エクソンモービル・オープン(Qatar ExxonMobil Open 2019)に参戦し、初戦はダミアー・ジュムホール(Damir Dzumhur、ボスニア・ヘルツェゴビナ)と対戦する。1月中旬からは全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)に出場し、通算7度目の優勝を目指す。(c)AFP/Reem Abulleil