【12月28日 AFP】中国共産党の政治局員らが今週、会合で「自己批判」を強いられたと、国営新華社(Xinhua)通信が27日伝えた。米中貿易戦争をめぐって習近平(Xi Jinping)国家主席の対応に党内から異議が出る中、党への忠誠心を固める狙いがあるとみられる。

 自己批判は建国の父とされる毛沢東(Mao Zedong)が非常に好んだ手法で、1966年から76年まで続いた文化大革命(Cultural Revolution)では極端な自己批判を迫るセッションが各地で繰り広げられた。権力基盤強化と党中枢の規律厳格化を図る習首席の下、この手法が再び起用されたかたちだ。

 新華社によると、政治局員らは25、26日に開かれた会合で「職務経験に照らして批判と自己批判を行うよう求められた」。また、「習主席の指示と党の主要規則・方針の率先した実行の実情」についても問われたという。政治局員らがどのような自己批判を期待されたのかは報じられていない。

 中国共産党は政治局を頂点とした集権体制だが、2012年に習氏が党最高職の中央委員会総書記に就任し、権力を自身に集中させるようになってから、政治局員25人の存在感は薄まっている。

 ただ、ここ数か月は米国との報復関税合戦に伴う景気減速を受け、習氏の権力に異議を唱える声が出てきていると専門家は指摘する。党幹部らは、習氏の敷いた党の路線に動揺しているようだという。

 香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)のウィリー・ラム(Willy Lam)教授(政治学)は今回の会合について、習氏が「党上層部に緊張があると認めている」も同然で「異例」だと述べ、政治局員の中に習氏に不利益となる言動をした人物がいることを意味していると説明した。(c)AFP