■モリナリや若手選手の台頭

 9月のライダーカップでは、英ウェントンワース・ゴルフクラブ(Wentworth Golf Club)で開催された全英オープンを制したイタリアのフランチェスコ・モリナリ(Francesco Molinari)に触発され、欧州選抜が17.5-10.5で米国選抜を一蹴した。

 大会前にはウッズの活躍と米国選抜が欧州の地で25年ぶりの勝利を飾れるかに話題が集中していたが、モリナリがトミー・フリートウッド(Tommy Fleetwood、イングランド)とのペアで4戦全勝を飾る強さを発揮し、欧州選抜史上初の5ポイントを記録。トーマス・ビヨーン(Thomas Bjorn、デンマーク)主将率いる欧州選抜は、初日最初のセッションでリードを許したものの、最終的にはいつものごとく本拠地で圧勝した。

 2018年シーズンのモリナリは、ウェントンワース・ゴルフクラブで開催された欧州ツアー(EPGA)のBMW PGA選手権(BMW PGA Championship 2018)を制すると、クイッケン・ローンズ・ナショナル(Quicken Loans National 2018)でPGAツアー初のタイトルを獲得。さらにイタリア勢初のメジャー制覇を成し遂げ、フランスでのライダーカップでは英雄的な活躍を見せた。

 モリナリは11月にレース・トゥ・ドバイ(The Race to Dubai)を制した際、「ウェントンワースでの勝利に続き、PGAツアー初優勝と全英オープン制覇を成し遂げ、ライダーカップで5ポイントを獲得すると予言されたら、笑い飛ばしていただろう」とコメントした。

 今季のメジャーでは、30歳以下の選手が3大会でタイトルを獲得した。世界ゴルフ選手権(World Golf Championships)シーズン第2戦のメキシコ選手権(2018 Mexico Championship)では、ベテランのミケルソンが優勝したが、最終日の最終ホールで25歳のジャスティン・トーマス(Justin Thomas、米国)が見事なイーグルを決め、勝負をプレーオフに持ち込んだ。

 28歳のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)は、メディアの注目を集めない中でシーズン後半に全米オープン選手権(2018 US Open Championship)と全米プロゴルフ選手権を制する素晴らしい結果を残し、第82回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2018)をけがで欠場した失意を振り払った。

 ケプカやトーマスをはじめ、リッキー・ファウラー(Rickie Fowler)やマスターズ王者のパトリック・リード(Patrick Reed)ら米国の若手選手は、台頭著しいスペインのジョン・ラーム(Jon Rahm)と共に来季の活躍が注目される。

 2019年の男子ゴルフは、メジャー大会が4月から7月にかけて集中していることからシーズンが中途半端な印象を受ける可能性がある。大幅に変更されたスケジュールでは、全米プロゴルフ選手権は全米オープンよりも前倒しとなり、北アイルランドのロイヤル・ポートラッシュ・ゴルフクラブ(Royal Portrush Golf Club)で開催される全英オープンがメジャー最終戦となっている。(c)AFP