【12月26日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は25日、連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き上げが株価急落の原因だとし、FRBの通貨政策を改めて非難した。

 株式相場が12月としては世界恐慌以来の急ペースで下落する中、トランプ大統領はFRBによる米経済のかじ取りに批判を続けている。

 トランプ大統領は毎年クリスマスに行われる米兵との電話会議の後、記者団の質問に答え、FRBは「利上げを急ぎすぎている。経済がとても好調だと考えているからだ」と指摘。その上で「だが、彼らもすぐに分かるだろう」と述べた。

 中央銀行として政府からの独立が建前とされるFRBだが、トランプ大統領は「常軌を逸している」「制御できていない」などとこき下ろしている。

 休日明けのアジア市場はトランプ大統領の発言に先立ち、米国の経済情勢や政府機関の閉鎖への不安から大幅に下げ、4日続落を記録していた。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官は23日、米大手銀行6行の最高経営責任者(CEO)と電話協議し、「十分な流動性」があることが確認されたとツイッター(Twitter)に投稿。しかし、これがかえって米経済の先行きに対する投資家の疑心暗鬼を生み、市場の混乱を招いていた。

 また、トランプ大統領がFRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長を解任する可能性について尋ねたとも伝えられたことも、投資家を不安にさせた。ムニューシン財務長官は、トランプ大統領はパウエル議長の解任を提案していないと報道内容を打ち消している。

 トランプ大統領は25日の記者会見で、ムニューシン財務長官を信頼しているかという質問に「そうだ」と答え、「とても才能があり、とても賢い人だ」と持ち上げてみせた。(c)AFP