【12月26日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は25日、バチカンのサンピエトロ広場(Saint Peter's Square)で毎年恒例のクリスマスメッセージ「ウルビ・エト・オルビ(Urbi et Orbi)」(ローマと全世界へ)を発表し、人道危機が発生しているシリアやイエメンなどの紛争地での平和と「兄弟愛」を呼び掛けた。

 フランシスコ法王は自身6回目となるウルビ・エト・オルビで、「あらゆる国、文化の人々の間における兄弟愛。思想の異なる人々の間における兄弟愛(中略)宗教の異なる人々の間での兄弟愛」を呼び掛けた。

 また、著しい被害の出ているイエメン内戦について、2015年以降でおよそ1万人が死亡し、1400万人が飢餓の瀬戸際に追い込まれている破壊的な戦争が、停戦によって終わりを迎えることを望むと表明した。

 さらに法王は、数百万人が家を追われ、国土の広い範囲が破壊されてきたシリア内戦にも言及。「政治的解決」により、「シリアの人々、とりわけ土地を追われ、よその場所に身を寄せなければならなかったすべての人々が、自らの国に戻り、平和に暮らせる」ようにすることを呼び掛けた。

 サンピエトロ広場には法王のメッセージを聞くため5万人が集まった。

 法王は24日夜のミサで、「飽くことのない欲」を抑えるよう訴えていた。(c)AFP/Catherine Marciano