【12月26日 AFP】エリザベス英女王(Queen Elizabeth II、92)は25日、クリスマス恒例のビデオメッセージを発表し、宗教上の「同族意識」に対して警鐘を鳴らした。

 ビデオメッセージは先週収録されたもので、英国の主要テレビ局で同時放送された。女王はその中で、「偉大な寛容さや自己犠牲をしばしば触発する信仰の力でさえも、同族意識の犠牲となり得る」と述べた。

 欧州連合(EU)からの離脱を来年3月に控えた英国では、離脱が生む危険性に対する懸念が広まっており、女王のメッセージは同国の暗いムードを反映する内容となった。

 英王室は伝統的に政治への関与を避けてきたが、女王の今年のメッセージはその伝統からほぼ逸脱。EU離脱をめぐり対立する英政界の各勢力を叱責するかのように「意見の相違がどんなに深くとも、敬意をもって相手を同じ人間として扱うことは常に、より深い理解に向けた良い第一歩になる」と述べた。

 女王はまた、英王室で最近続いたロイヤルウエディングや新たな命の誕生、そして孫のヘンリー王子(Prince Harry)の妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)の妊娠を喜んでいることも示唆。

「今年は私の家族にとって忙しい年で、2つのウエディングと2人の赤ちゃん、そして間もなくもう1人の子どもも生まれる」と語り、「おかげでおばあちゃんはとても忙しい」と述べた。(c)AFP