【12月25日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)に所属するレブロン・ジェームズ(LeBron James)が、約4500万人のフォロワーを誇る自身のインスタグラム(Instagram)で、「ユダヤマネー」に言及した歌詞を引用して物議を醸したことについて謝罪した。米スポーツ専門チャンネルESPNによると、NBAは今回の投稿に関して同選手の処分を検討する意向はないという。

 レイカーズのスター選手であるジェームズは先日、チームのトレーナーを着た姿で、米ラッパーの21サヴェージ(21 Savage)が歌う『armr』の歌詞の一部を引用し、インスタグラムのストーリーで「俺たちは、そうしたユダヤマネーを稼いでいる。すべてはコーシャー(kohser、ユダヤ教の戒律で認定されたもの)だ」と朗読した。

 これに対して、ESPNの元スポーツビジネスアナリストを務めていたダレン・ロベル(Darren Rovell)氏は、ユダヤ人が裕福で金遣いにけちであるというイメージを植え付ける間違った使い方をするものだとして、ツイッター(Twitter)に、「ほとんど間違ったことはしないレブロンが、こんな投稿をするなんて驚いた。言葉の裏に重要な意味を持つものであっても、歌詞であれば引用は許されるのか?」「それは違う。特に4500万人ものフォロワーがいる人物の場合は」とつづった。

 33歳のジェームズは、レイカーズが敗れた23日のメンフィス・グリズリーズ(Memphis Grizzlies)戦の後、「これは人を傷つける意図でしたことでは絶対にない」「誰かを傷つけたのであれば謝罪する」とすると、「あの歌詞を引用したのはそういう理由ではない」として、歌詞を引用することは普段やっていることにすぎないと付け加えた。

「いつもやっていることだ。ドライブしながら素晴らしい音楽を聴いて、その流れでしたことだ」「だから、これは曲への賛辞であり、特定の視点から多くの人々を見たものではなかった。申し訳ない」

 いつも政治や社会文化的な問題に関して声を上げているジェームズはまた、米ケーブルテレビ局HBOで21日に放送された自身の番組「The Shop」で、NBAと米ナショナルフットボール(NFL)を比較する発言をして波風を立てたばかりだった。

 ジェームズは「NFLには白人オーナーが多く、物事を上から押さえつけている」と話すと、NBAのアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーに対しては、選手たちに自由な発言を許していると称賛した。

「アダムはその内容に自分が賛成かどうかは別として、少なくとも俺たちの発言に耳を傾けようとする」「俺たちが教育的かつ非暴力的にやっていることであれば、彼はそのことに関して絶対に容認してくれる」

 NFLでは近年、人種差別や社会的不平等を喚起するための活動の一環として、選手たちが国歌演奏時に膝をついて抗議する問題に直面している。(c)AFP