【12月24日 AFP】18-19ドイツ・ブンデスリーガ1部は、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)がバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)と勝ち点6差の首位に立ち、7年ぶりのリーグタイトルを視界に収めて前半戦を折り返した。

 しかしバイエルンも、22日のフランクフルト(Eintracht Frankfurt)戦に3-0で快勝してリーグ5連勝を達成して2位に浮上。ニコ・コヴァチ(Niko Kovac)監督も「全員そのつもりでいる」と話し、王者がリーグ7連覇へ自信を見せている。

 ブンデスリーガは来年1月18日まで中断期間に入る。そこでここでは、両チームの前半戦のポイントをまとめた。

■バイエルンの苦戦

 就任から半年がたつコヴァチ監督だが、ここまで生き残るのは簡単ではなかった。

 10月にチームがヘルタ・ベルリン(Hertha Berlin)とボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)に連敗して6位まで順位を落とすと、トーマス・ミュラー(Thomas Mueller)、アリエン・ロッベン(Arjen Robben)、マッツ・フンメルス(Mats Hummels)、フランク・リベリ(Franck Ribery)といった重鎮がコヴァチ監督に不満を持っているとの報道が出た。

 そして11月、首位ドルトムント戦で2-3の逆転負けを喫し、続く下位フォルトゥナ・デュッセルドルフ(Fortuna Dusseldorf 1895)との試合で3-3の引き分けに終わると、指揮官の解任が取り沙汰されるようになった。それでもコヴァチ監督は、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)のベンフィカ(Benfica)戦に大勝してなんとか首をつなぎ、現在に至っている。

 カール・ハインツ・ルンメニゲ(Karl-Heinz Rummenigge)社長は、SCフライブルク(SC Freiburg)、FCアウクスブルク(FC Augsburg)、デュッセルドルフと引き分けたここまでの戦いを振り返り、「格下の3チーム相手に勝ち点6を落としたことを忘れてはならない」「ニコや一部の選手と話をした。今は監督とチームが再び一つになっている」とコメントしている。

■ドルトムントは「ケーキを半分食べただけ」

 一方のドルトムントは、トロフィー獲得への期待を膨らませて前半戦を終えた。ブンデス1部で、バイエルン以外のチームが首位に立って冬季休暇を迎えるのは、2012年以来となる。

 チームでは、これまで負傷がちだった主将のマルコ・ロイス(Marco Reus)が11得点とチームをけん引し、パコ・アルカセル(Paco Alcacer)も、リーグ12試合で12ゴールと驚異的なペースで得点を量産した。その活躍ぶりは、公式戦出場5試合連続でゴールを挙げ、さらにバイエルン戦の決勝点を決めた段階で、クラブがFCバルセロナ(FC Barcelona)からの期限付きの契約を完全移籍に切り替えたほどだった。

 それでもロイスは「僕らはまだケーキを半分食べただけ」と強調している。解説者のマティアス・ザマー(Matthias Sammer)氏も、ルシアン・ファーブル(Lucien Favre)監督のチームはまだ「発展段階」と話し、5か月後のバイエルンのリーグ7連覇阻止に向けて、チームは今後も厳しい戦いが続く。

■イングランドの若武者が躍動

 前半戦の若手ベストプレーヤーは、ドルトムントに所属するイングランド出身の18歳ジェイドン・サンチョ(Jadon Sancho)だった。サンチョは流れの中からの直近9ゴールすべてに関与しており、2得点3アシストを記録しているほか、得点の二つ前のパスを4本供給している。

 ドイツで輝きを放つイングランドからの輸入選手は、サンチョだけではない。1899ホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)では、アーセナル(Arsenal)から期限付き移籍中のリース・ネルソン(Reiss Nelson)が6得点を記録。プレミアリーグではなかなか出番に恵まれなかった19歳だが、新天地ではチャンスをつかんでいる。(c)AFP/Ryland JAMES