【12月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領とトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は23日、電話会談し、トルコ大統領府によると、トランプ氏が米軍撤収を発表したシリアについて「権力の空白」が生じないようにすることで一致した。トランプ氏も撤収を急がない方針を明らかにした。

 トランプ政権は19日、内戦下のシリアから米兵2000人を撤収させると表明。国際社会に衝撃が広がったが、トルコは同盟国でそれを称賛した数少ない国の一つ。米国とトルコはシリアで有志連合によるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦に関わっている。

 電話会談についてトルコ大統領府は声明で「両首脳は両国の軍事、外交などの当局が権力の空白の回避を確実にすることで一致した」と述べた。

 トルコ側の発表に先立ち、トランプ氏もツイッター(Twitter)に、エルドアン氏と「ISIS(ISの別称)、シリアに対する我々の相互関与、シリアからの急がず、高度に調整した米軍撤収について話し合った」と投稿した。

 エルドアン氏も直後に、会談は「生産的だった」とツイートした。

 シリアでのIS掃討では、米軍が支援するクルド人部隊が重要な役割を果たしてきたが、トルコ政府からはテロリストと見なされている。シリアからの米軍撤収は、トルコ軍にクルド人部隊への攻撃を許すものになる。

 米国の政治家や同盟国からは、撤収は早計であり、荒廃したシリアや周辺地域を一層不安定化させかねないと懸念する声が上がっている。(c)AFP/Maggy Donaldson