【12月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は20日、対メキシコ国境の壁建設費用が盛り込まれていないとして、つなぎ予算案への署名を拒否する意向を示し、一歩も譲らない構えを見せている。これを受け議員らは、クリスマス前の政府機関閉鎖を回避しようと躍起になっている。

 つなぎ予算案は米上院が全会一致で可決し、下院で審議中。トランプ氏は、2015年に大統領選の選挙運動を始めた時から公約に掲げてきた、米メキシコ国境の壁の建設費50億ドル(約5560億円)を要求する姿勢を強めているもようだ。現行予算が失効する21日の期限まで36時間しか残されていないことから、米政界は大混乱に陥っている。

 共和党指導部は、来年2月8日までのつなぎ予算案を可決し、その間に国境警備を含む問題について議論する計画を立てていた。しかし、超保守的な議員らとメディア番組の司会者らは、国境の壁建設のために闘うという選挙公約を貫くようトランプ大統領に事実上要求し、トランプ氏は強硬姿勢を取っている。

 これまでのところ、民主党側はトランプ氏の壁建設費を含む予算を支持するつもりはないと述べ、譲歩しない構えを見せている。

 政府機関が閉鎖されれば、大勢の連邦政府職員が、クリスマスの直前に無給の自宅待機となる。政府機関閉鎖の懸念から、米国株は下落した。(c)AFP/Michael Mathes