【12月21日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は20日、各国の国内オリンピック委員会(NOC)に書簡を送り、競技統括団体で問題を抱える国際ボクシング協会(AIBA)の主張に対し「懸念」を示したと認めた。

 IOCのクリストフ・ド・ケッペル(Christophe De Kepper)事務局長は書簡で、AIBAのガフル・ラヒモフ(Gafur Rakhimov)会長がNOCに送った文書に対して懸念を示したという。ウェブ通信社の「インサイド・ザ・ゲームズ(Inside the Games)」がその第一報を伝えた。AFPの確認に対し、IOCはNOCに送った書簡の存在を認めている。

 インサイド・ザ・ゲームによると、ラヒモフ会長は全206か国・地域のNOCに文書を送り、AIBAは「問題のあった過去を清算した」と示唆したという。

 11月にIOCは、2020年東京五輪におけるボクシングの準備凍結を決定し、AIBAの問題について調査に乗り出しており、競技種目から除外される可能性もある。

 IOCはAIBAの「ガバナンス、倫理、財務管理」に懸念があるとしており、米財務省から国際犯罪組織との関わりを指摘されているウズベキスタンの実業家、ラヒモフ会長にも疑いの目を向けているが、会長自身は疑惑を否定している。

 インサイド・ザ・ゲームによるとIOCは書簡で、ラヒモフ会長はAIBAに対するIOC理事会の決定に明確な答えを示していないと伝えたとされる。ド・ケッペル事務局長は「IOC理事会はAIBAに重大な懸念」を持っていて、それはまだ払拭されていないと強調したという。

 IOCとAIBAの関係は、36人のレフェリーやジャッジが資格停止になり、八百長の疑いが調査された2016年リオデジャネイロ五輪で大きく損なわれ、ラヒモフ会長の就任により溝はさらに深まっている。(c)AFP