【12月20日 AFP】英下院で19日、野党・労働党のジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首がテリーザ・メイ(Theresa May)首相に対して性差別的な言葉を発した疑惑が浮上し、議員らが猛反発する一幕があった。

 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐり数か月にわたり衝突を続けてきた与党・保守党の議員らは、この日の議場でメイ氏は「ばかな女」だとぼやいたとされるコービン氏を一致団結して非難。労働党の一部女性議員も、この発言は「良くない」と警告した。

 だがコービン氏は、自身が使ったのは「ばかな人々」という言葉であり、メイ氏ではなく「わが国が直面する国家的危機についての議論を茶番劇に変えようとしている」人々を指したものだったと釈明。自身は「性差別的または女性嫌悪的な言葉の使用に完全に反対する」と述べた。

 女性政治家をめぐっては、ソーシャルメディアなどで受ける暴言への懸念が高まっており、メイ氏は19日、女性が議会で浴びせられる言葉を恐れて国会議員になる「意欲をそがれる」ことは避けたいと表明。記者団に対し、「下院では皆が言葉遣いに注意する責務がある」と述べた。

 だが一部の労働党議員は、保守党が騒ぎを誇張していると非難している。 (c)AFP/Alice RITCHIE