【12月19日 AFP】英政府は18日の閣議で、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐり、合意なしの離脱への備えを優先事項にすることを決めた。20億ポンド(約2850億円)の資金を用意するほか、兵士3500人を待機させる。企業向けに助言集も公開する予定だ。

 来年3月29日のブレグジットまで14週間しか残されていないにもかかわらず、テリーザ・メイ(Theresa May)首相がEUとの間で取りまとめた離脱協定案は議会承認の見通しが立っていない。

 ただ、スティーブン・バークレイ(Steve Barclay)EU離脱担当相によると、閣僚らは来月にずれ込んだ下院での採決でメイ首相の離脱協定案が承認される望みを捨てていないという。

 バークレイ氏は年内最後となった閣議後、責任ある政府なら合意がないままの離脱を「デフォルトの選択」として準備を強化して当然だと指摘。閣議では、合意のない離脱への準備を「政府内の職務上の優先事項」にすることを申し合わせたと明らかにした。一方で、「全般的な優先事項はあくまで合意を得ることにある」と強調した。

 英国が合意に至らずに離脱する事態になれば英経済に破滅的な結果をもたらすと懸念されている。バークレイ氏は、当局はこの事態に備え、企業に助言する取り組みを強化していくとも説明した。

 英首相官邸によると、100ページから成る企業向け助言集をインターネット上で公開するほか、影響を受ける恐れが強い8万社に対しては数日以内に電子メールで通知する。(c)AFP/Joe JACKSON