【12月19日 AFP】スイスの再保険大手スイス・リー(Swiss Re)は18日、今年発生した天災と人災による推定経済損失は1550億ドル(約17兆4000億円)で、多くのハリケーンに見舞われた昨年に比べると大きく減少したと発表した。

 スイス・リーによると、昨年の損失額は「ハービー(Harvey)」、「イルマ(Irma)」、「マリア(Maria)」という3つのハリケーンなどにより3500億ドル(約39兆円)に達していた。

 ただ同社は、それでも今年に起きた「複数の小・中規模の事象や、大規模な人災数件」は重大な懸念要因であると指摘。今年の災害は「沿岸部や、都市部と野生生物の境界に人口と資産価値がますます集中していることによる脆弱(ぜいじゃく)性の増大を浮き彫りにしている」と述べている。

 今年特に大きな損害をもたらしたのは、ハリケーン「マイケル(Michael)」と「フローレンス(Florence)」、アジアを襲った一連の台風、さらに米カリフォルニア州で最近発生した森林火災だった。同社によれば、今年の全損失の約半分が保険で賄われたという。(c)AFP