【12月18日 AFP】フランスのブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)経済・財務相は17日、大手IT企業に対する「デジタル課税」を、来年1月1日から独自に導入する方針を明らかにした。欧州連合(EU)も同制度の適用を目指しているものの、確定に時間がかかっている。

 ルメール氏は首都パリで記者会見し、「デジタル課税は何があっても1月1日から導入される。2019年全期で5億ユーロ(約640億円)の税収が見込まれる」と述べた。

 フランスはこれまで、米グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の頭文字をとって通称「GAFA税」と呼ばれるこの制度の導入に向け注力してきた。欧州で大規模な事業活動を展開する世界的なIT大手から、公平な税徴収を行うことを目指している。

 現行のEU法下では、米大手IT企業はいずれの加盟国でも収益報告が可能で、課税率の低いアイルランドやオランダ、ルクセンブルクといった国で手続きされることが多い。

 欧州委員会(Eropean Commission)で競争政策を担当するマルグレーテ・ベステアー(Margrethe Vestager)委員によると、一般的な企業への課税率が23%であるのに対し、これらの大手企業への課税率は平均9%にとどまっているという。

 これを受けて欧州の多くの国の有権者の間で怒りの声が上がっているものの、問題への対応策をめぐっては意見が割れている。

 複数の米IT大手が欧州の拠点を置いているアイルランドと主に北欧諸国が、デジタル課税により欧州企業に対する報復措置を招き、米国内で怒りを買う恐れがあるという懸念を示している。(c)AFP