【12月18日 AFP】韓国と北朝鮮の軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)のすぐ近く、かつて米軍の弾薬庫として使われていた建物の中に、1体の鹿の剥製が置かれている。その角から木の枝が天井に向かってのびており、まるで鹿から木が生えているようにも見える。

 この鹿は韓国人芸術家キム・ミョンボム(Kim Myeongbeom)さんの作品で、DMZ近くにある米軍基地「キャンプ・グリーブス(Camp Greaves)」跡地に今年、展示された。キャンプ・グリーブスは在韓米軍基地の移転計画に基づいて、2004年に閉鎖された。

 キャンプ・グリーブス跡地のある京畿道(Gyeonggi province)は、安定した収入を得るための手段として、跡地の観光地化に力を入れている。弾薬庫を転用した展示スペースは目玉の一つで、他にも兵士たちの食堂だった建物はユースホステルに生まれ変わった。

 ある韓国人観光客はAFPの取材に対し、「すぐそこから北朝鮮の旗と韓国の旗が見え、北朝鮮と韓国がいかに近いかを実感できる。南北の統一を願うばかりだ」と語った。(c)AFP