【12月18日 AFP】マレーシアの司法当局は17日、政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」をめぐる巨額の資金不正流用の事件で、米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)の子会社と元社員2人を刑事訴追した。

 ゴールドマンの子会社と元社員のティム・ライスナー(Tim Leissner)被告とウン・チョンファ(Ng Chong Hwa)被告の2人は発行した1MDBの債券27億ドル(約3000億円)分について不正流用、当局者への賄賂、虚偽の報告書提出に関与した疑いが持たれている。

 不正流用された資金はヨットや美術品などの購入に充てられていたとみられている。

 ライスナー被告とウン被告は先月、米司法省からも訴追されている。また不正流用を指揮した罪に問われ、現在逃亡中のマレーシア人投資家ロー・テク・ジョー(Low Taek Jho)被告も追起訴された。

 ゴールドマンをめぐっては1MDBにまつわる疑惑への関与の疑いが次々と浮上しており、同社の企業体質に厳しい目が注がれている。同疑惑ではナジブ・ラザク(Najib Razak)前首相も関与が疑われており、5月の総選挙に敗北して首相を退任後、汚職関連の罪で起訴されている。(c)AFP/Sam Reeves