【12月19日 Xinhua News】ビッグデータ、人工知能(AI)などの先端技術の恩恵を受け、中国の社会消費財小売市場には、新業態、新モデルが多く現れている。中国でニューリテールが活発になり、外資系小売り大手が追い風に乗っている。

 本部をスウェーデンに置く家具大手のイケアはこのほど上海で、傘下のショッピングセンター事業IKEA Centresが投資・開発する上海臨空IKEA LIVATショッピングセンターの着工を発表。建物面積が43万平方メートルを超え、投資総額が80億元(1元=約16円)以上となるという。

 IKEA Centres中国区の丁暉(Ding Hui)総裁は、「ここには倉庫エリアがなく、セルフサービスエリアの面積も大幅に縮小する。顧客には、デジタル化ショッピングツールをより多く採用することで、さらにより便利な体験をしていただきたい」と語った。

 イケアは、中国のニューリテールのチャンスを捕らえるために販売形態を変更した唯一の外資系小売り大手ではない。

 カルフールは年初に騰訊(テンセント、Tencent)と戦略協力協定に署名、協力はビッグデータ、モバイル決済、顔認識技術、テンセントクラウドなどに及ぶ。騰訊とカルフールが共同でつくったスマートストア「Le Marche」が5月、上海でオープンした。カルフール大中華区のティエリ・ガルニエ総裁は、深圳市にある2店舗も「Le Marche」(ル・マルシェ)を参考にし改造することを明らかにした。今後、総面積8000平方メートル規模のカルフール店舗は減り、こういう新業態店舗がそれに取って代わるという。

 外資系小売り大手が中国のニューリテールに大きな関心を払っている背景に、この市場の多大な潜在力がある。中国国家統計局によると、今年第1~3四半期(1~9月)の社会消費財小売り総額は前年同期比9.3%増の27兆4000億元となった。同局の関連責任者はデータの解説を行い、新技術の促進と日増しに整備される物流配送システムに支えられ、新興業態と従来型業態の融合が消費市場の重要な供給ルートになっていると指摘。ティエリ・ガルニエ総裁は、中国市場はすでに「世界小売業の実験室」になっているとみている。

 「イケア(中国)の新時代はすでに始まった。われわれは、この20年間でやったことのないことをやってみようとしている」と、イケア中国小売事業のクリカ総裁は話した。イケアは今後、よりオープンな心で、新たなパターンをより多く模索し、中国消費市場のニーズを満たしていくという。(c)Xinhua News/AFPBB News