■野球離れ?

 野球は試合時間が平均3時間に上り、動きの少ない場面が続くスポーツであるとみなすファンもいることから、新しい世代の観客を開拓して維持するのが難しい状況となっている。

 ナショナルズで地域との連携の責任者も務めるグレゴリー・マッカーシー(Gregory McCarthy)副社長は、「野球はキッズファンの開拓に関して逆風にさらされている。彼らが求めているのは、すぐに盛り上がることができ、速い動きを楽しめるスポーツだ。その点で野球はプレーが速くない。時間と戦術を楽しむ競技だ」と述べた。

 そうしたファンの典型例として、10歳のジョナ・マクファーソン(Jonah McPherson)君が挙げられる。彼はナショナルズのユースアカデミーで才能を見いだされた選手の一人であるものの、動きが速いNBAの試合を引き合いにして、きまり悪そうに「バスケットボールの方が好き」であることを認めている。

 また、野球を楽しむにはグラウンドや高価な道具のほかに、チームの頭数をそろえる必要があり、競技自体が主に中流から上流階級の趣味とみなされる傾向が高まっている。