【12月17日 AFP】中国の首都北京で17日、無期限で拘束されている弁護士の妻やその支持者らが裁判所を訪れ、その場で髪をそって抗議の申し立てを試みた。

 この象徴的な抗議行動に踏み切ったのは、2015年7月9日に当局が行った活動家や弁護士らに対する一斉取り締まりの対象となった男性らの妻4人で、中国の「無法状態」を強調するためのものと説明した。

 中国語では、「はげ」と「無法状態」を意味する言葉が同音で、女性らは警察に裁判所構内への立ち入りを阻止された後、敷地外で「はげ頭にはなれるが、国が無法状態であってはならない」とシュプレヒコールを上げた。

 今回髪をそった李文足(Li Wenzu)さんの夫、王全璋(Wang Quanzhang)さんは、政治活動家らや土地接収の対象となった人々の弁護を担当していた。中国の共産主義体制に批判的な司法関係者らを対象にしたその取り締まり以後、行方が分からなくなっている。

 李さんはAFPに対し、「私の夫はしかるべき説明もないまま、外部との連絡を絶たれて拘束されている」と語り、「当局が正当なプロセスにのっとらない理由に関する回答が欲しい。家族の弁護士が夫と面会することをなぜ許してもらえないのか、その理由を知りたい」と訴えた。

 李さんはこれまでの3年間、警察に対し情報公開請求を30回以上行ったにもかかわらず、回答が得られないまま突き返されたと主張している。(c)AFP/Poornima WEERASEKARA