【12月17日 AFP】米ミネソタ州に再定住し、インターネット通販最大手のアマゾン・ドットコム(Amazon.com)で働くソマリア難民らのグループが14日、労働条件の改善を求めて抗議デモを行った。

 ミネアポリス(Minneapolis)郊外のシャコピー(Shakopee)にあるアマゾンの商品倉庫前には、凍えるような寒さの中、数百人が集まってデモを実施。シャコピーには相当数のソマリア難民が暮らしており、アマゾンに雇用されている難民が多い。従業員らによると、倉庫で働く人々の大部分は東アフリカからの移民が占めるという。

 抗議デモはこれまでもここで働く従業員らが実施してきたが、その声が聞き入れられたことはないという。

 従業員らは今回、アマゾンが変化を強いられることを期待して、ホリデーシーズンに向けた繁忙期に合わせて抗議デモを行った。

 倉庫で働く30歳の男性はAFPに対し、「アマゾンではわれわれに権利はない」と話した。

 また、従業員の多くはイスラム教徒として宗教的な義務を実践しているが、仕事で要求される生産性が高すぎ、会社も従業員のけがや祈る余裕がない状況に対して関心を抱いていないとの声もある。

 アマゾンは以前、懸念を聞くために従業員らと協議することで同意。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、アマゾンを交渉の席に着かせることに成功した初めての事例とみられると報じた。だが従業員らによれば、アマゾンの取り組みはこれまでのところ期待外れに終わっているという。

 デモに参加した従業員や、それを支持して参加した地域社会の指導者らは、倉庫での労働環境が深刻な病気を引き起こしているとも主張。

 州都セントポール(Saint Paul)のイスラム教指導者は、「従業員らはアマゾンを辞めた後も、背中の痛みや慢性疾患、雇用中のけがなどを依然として抱えている」と述べた。(c)AFP/Kerem Yucel, with Nova Safo in Chicago