【12月16日 AFP】ヒマラヤ山脈の係争地をめぐって昨年、緊迫したにらみ合いを繰り広げたインド軍と中国軍が、中止していた合同軍事演習を開始した。その一方でインド軍は、中印両国の兵士らがダンスやサッカーに興じ、意気投合した様子をみせる動画を公開した。

 両国軍は昨年6月、係争地となっているドクラム(Doklam)高地で中国兵が道路建設を開始し、インドがこれを阻止するために部隊を派遣したことで対峙(たいじ)。アジアの核保有国である中印両国のにらみ合いは、双方の部隊が撤退するまで2か月間続いた。

 毎年実施されていた中印の合同軍事演習「ハンド・イン・ハンド(Hand in Hand、中国語名:携手)」は昨年、ドクラムでのにらみ合いを受けて中止されたものの、今年は11日に中国南西部で再開され、23日まで実施される予定。

 インド陸軍はツイッター(Twitter)に、中印両国の兵士らが腕を組み掛け声を上げながら踊っている動画と、両国のチームが「素晴らしいスポーツマンシップを披露した」サッカーの試合の動画を投稿した。ただ、どちらが勝ったかは明らかにされていない。

 中印両国は1962年に戦火を交え、ここ数年はインド洋(Indian Ocean)での影響力をめぐり競い合っていた。

 だがインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、世界人口の約40%を抱える両国の関係修復に乗り出している。(c)AFP